
新宿駅に降り立つ。その人の多さに生気を奪われそうになる。サラリーマン、OL、学生、観光客、大人、子供、様々なファッションが忙しなく行き交う。街に出ると建物も車も溢れかえり、無数の情報・音が飛び交い、数え切れないほどのモノで埋めつくされている‥‥国内外から大きな人波が流れ込み、さまざまなものをこの街に運んでくる‥‥喧騒の街に心落ち着くところはあるのでしょうか。一般的に、新宿に対して抱かれるイメージとは、人の多さとショッピングエリア、そして窮屈感であると思います。しかし、かつては夏目漱石など文豪たちが育ち愛した街であり、多くの文化人がこの街に刺激を受けてきたことも、新宿という空間のもうひとつの顔なのです。
さまざまな職業や人種が集まり交流があるところから、文化は生まれるものです。新宿という街は、喧騒のなかにどこか人を惹きつけ、集わせる魅力があります。それは一体なんでしょう?銀座や丸の内・六本木のようなセレブな雰囲気をまとうエリアには、何か近寄りがたいイメージがありますが、新宿はどんな人でもそれなりに楽めるものがあり、受け入れてくれる懐の深さを感じます。人はそんなところに惹かれ新宿の街を愛し集うのではないでしょうか。あまりの人の多さに息詰まりそうになりながら、それでもついつい訪れてしまうのは、新宿の街に秘められた温もりがそうさせるのです。そして、人びとはこの街に刺激を受け、時に新たな交流が芽生え、文化が形成されてゆくように思います。
かつて多くの文豪に愛され、今でも物語やエッセイの舞台に多く取り上げられる新宿は、文学に深い所縁があるためか、老舗の紀伊國屋書店をはじめ、大型書店が軒を連ね多くの人を呼び寄せています。また音楽文化にも造詣が深く、数々のライヴハウスやレコード店には大勢の音楽マニアが集います。アート鑑賞についても、新宿界隈で存分に楽しめるスポットが充実。新宿は文化値が高くて、散策するにはもってこいの街なのです。繁華街エリアを離れれば、さらに多くのスポットを取り上げられるのですが(意外と新宿は広い!)、今回はあえて繁華街エリア=新宿駅周辺を中心に、文化的散策プランを考えてみることにしましょう。ただ、お買い物に来るのもいいけど、たまにはひとりでブラブラ何も買わない新宿散策を。といっても、本屋さんやレコード屋さんでいい出逢いがあると、結局買ってしまうのだけど。


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